レビュー

【CD全曲レビュー】ずっと真夜中でいいのに。2nd ミニアルバム『今は今で誓いは笑みで』ちょっとポジティブに変化

2018年から引き続き、2019年も注目のアーティスト”ずっと真夜中でいいのに。”の2nd ミニアルバム今は今で誓いは笑みで』がリリース

音楽チャートでは1位とったそうで、勢いすごいですね。

どんな曲が入っているのか楽しみで仕方がなかった今作。前作と変わらず、惹きつけられるメロディーラインと多彩な歌い方がとても良い。

しかしながら、少し変化を感じたと思うところもある。ネガティブな感情はあるものの、全体的にポジティブな印象を受ける要素が増えた気がします。

レビューという名の感想文を綴りましたので、良かったら読んでみてください。

2nd ミニアルバム『今は今で誓いは笑みで』全曲レビュー(感想)

収録曲
  1. 勘冴えて悔しいわ
  2. 正義
  3. またね幻
  4. マイノリティ脈絡
  5. 彷徨い酔い温度
  6. 眩しいDNAだけ

※7~12曲は、1~6曲のインストVer.(オフボーカル)

勘冴えて悔しいわ

ACAねさんが曲を紹介しています


歌詞とのギャップが凄まじい軽快なアッパーチューン

最初に「トゥットゥトゥルトゥートゥートゥー」って歌ってたり、明るいピアノが目立ってテンポが良い。ちょっと聴くだけだと、可愛らしくカッコ良い曲だと思いそうなこの曲。

イジメにあった過去からできた曲とのことだけど、”結果的に良い経験できたな”とACAねさんが思っているから、その感謝が明るさや疾走感に表現されているのかもしれません。そんなわかりやすい曲調だけでも充分に魅力的。

とはいえ、歌詞にも惹きつけられる要素が多すぎる。やはりイジメにあった過去が元になっているだけあって、その想いが詰まっていると感じる。

言葉遊びをしていて、直接的な表現じゃないところが多いものの、想いの強さからなのか、ちょっとストレート気味なところもあると思った。

ゲラゲラ 道を塞ぐ民よ
感謝の言葉しか出てこないよ

歌詞:「勘冴えて悔しいわ」より

この歌詞とか。。ストレートというか、皮肉気味?ですかね。聴いていて、フッと小さく笑ってしまいたくなるような感じがしました。

遺影 遺詠 遺影 遺詠 遺影 遺詠 遺影 死体

歌詞:「勘冴えて悔しいわ」より

この最後の歌詞を見たときは、思わず笑ってしまった。ライブで聴いたときは、「イェーイェーイェーしたい」って歌っているので、気持ちが込められてるなぁと思ったんですが、まさかこんな方向の歌詞だとは思いませんでした。言葉選びで遊び過ぎ(笑)

 

その他にも、「ミラクルな目を まだ逸らせはしないで」の”しないで”のハモリとか、ラストのサビだけ「ゲラゲラゲラ」と”ゲラ”が3回になってたり、感情を表すかのようにベースが動き回っていたりとか、、

良いな~と思うところを上げると、キリがなくなりそうなので、この辺で。。聴く側としては、とても楽しい曲。

 

正義

ACAねさんが曲を紹介しています

↑↑ハッシュタグが”孫さん”でウケた(笑)

 

前作「正しい偽りからの起床」での”ずっと真夜中でいいのに。”のイメージを更新した中毒性抜群の曲

どちらかと言えば、暗めの曲が多い印象の”ずとまよ”の中ではかなり明るい。今作の中でもダントツの魅力と真新しさを感じる。

それもあってか、待ちに待った正義のMV公開。正直、1回目に聴いたときは、”ん?”ってなりました。

でも、曲が終わってすぐに、もう1回再生してみたらわかった。1回目は自分の頭が曲に追いついていなかったようだ。いろんな要素が多すぎて。。あまり良さがピンと来てなかったみたい。

もうそこから1か月くらい、1日10回は聴いたんじゃないだろうか、なぜか聴きたくなって何回聴いても心が動かされる。そして、全然飽きない。聴けば聴くほど、どんどんこの曲の魅力にハマっていく。

 

正義って曲名だから、この曲のテーマは”人それぞれの考え方次第で、個々が持つ正義の意味は違ってしまう、その違いを理解できたり、理解できなかったりすることがある”っていうことなんだろうな~と想像しました。

歌詞は難しくて意味がよくわからないところがかなりある。歌詞を楽しむのも大切だけど、音楽は”音を楽しむ”ものだと思うから、すべてわからなくたっていいんじゃないだろうか。まずは音がなければその音楽を知ることすらできない。

3回くらい聴くだけで、頭の中で再生できそうなほどメロディが耳に残ること、声や楽器の音使い、曲調といったものにとても惹かれてしまうんだ。

 

サビの力強い歌声は、突き抜けていて、これまでの曲のように強い想いが込められているように感じる。

そのサビが良いのはもちろん、それ以外も”ずとまよ”らしくとても良い。良すぎる。僕からすると、もう全部サビみたいだ。どこを切り取っても聞きどころだと思うほどメロディが好み。

そして、始めから終わりまでずっと綺麗な高音で、透明感のある歌声が心地いい。そんな歌声からは、少し寂しさも感じるけど、温かく優しい印象を受けた。

聴いていると、どこか幸せな気持ちになるけど、聴き終わったときに喪失感があるような。。もしかしたら、この2つの感情から何回も聴きたくなるのかもしれない。

 

冒頭の少し調子はずれに感じるリコーダーの音や、Bメロで入る合いの手みたいなアヒルの「クワァクワァ」という鳴き声などは、遊び心を感じさせてくれる。

「悪いこと してなくても 」の歌詞から始まる2回目のBメロは、1回目とは違うドラムのキックと相まってとても心地いい。

「近づいて遠のいて 探り合ってみたんだ 」から始まる歌詞は、終盤に文字がどんどんカタカナに変わっていき、何かが崩れていくのを表現しているみたいで、とても気になる。また、そこでの歌声は「近づいて遠のいて」という歌詞の距離感を表すように、高低を使い分けた掛け合いになっている。メロディも含めて良い。

 

いろいろ書きましたが、何が言いたいかというと、好きすぎてやばい。これに尽きる。

 

またね幻

ACAねさんが曲を紹介しています

↑間違いも可愛らしく笑わせてくれる。100回嘔吐さんの名前も間違ってる(笑)

またね幻(弾き語りVer.)

お洒落サウンドと切ないメロディのミディアムナンバー

良曲を思わせるイントロがもうたまらない。アウトロまですべて聴き終わっても、感想は変わらず、ほんと良曲。

音使いで1番耳に残りやすいのは、悲しげで美しいピアノだと思います。歌声と合わせた強弱、あらぶる演奏がACAねさんの感情を表現しているように思えた。ジャズっぽいフレーズが入っているのもお洒落でめちゃくちゃ良い。

ベースはかなり動きまくっているけど、グルーヴィーでとても気持ち良い。ピアノとベースが自由なので、ギターはソロを除けば、かなりシンプルでバランスを保っているように感じた。

そして、楽曲の根幹となるACAねさんの歌声とメロディは、もはや言うまでもないかもしれませんが、直接気持ちが伝わってくるようで、心に響く。

 

曲紹介で”大切をなくして気づかざるを得ない気持ちを整理できた気になっていられた気がした”とツイートしていることからも、失った切なさもあるけど少し前向きな気持ちを表現した歌って感じました。

歌詞にある「君のためにって僕のためで 薄っぺらい歌」の”薄っぺらい歌”は、きっとまたね幻のことを言ってるんでしょうね。自身で薄っぺらいと捉えているところがまたなんとも。。

相手のためにと思っていることが自分のためだったってことは、ごく普通にありそうだから、人間らしくていいのに。

そういうところも魅力的な曲。

 

マイノリティ脈絡

ACAねさんが曲を紹介しています

せめぎ合う感情とマッチした速度感が楽しい曲

実は僕は こう見えて強引に
ビリビリに包装紙 破ける

歌詞:「マイノリティ脈絡」より

きっと 父さんも 姉ちゃんも 誰も
何も知り得ない

歌詞:「マイノリティ脈絡」より

客観的な言葉で操れられんよ
気づかれたくて でも冷静でいるんだ

歌詞:「マイノリティ脈絡」より

このあたりの歌詞から、他人(多数派:マジョリティ)から思われている自分(少数派:マイノリティ)への評価が自己評価と違うことに悩んでいる曲なんだろうな~と想像しました。

他人の評価よりも自己評価が本当の自分だから”他人に合わせたほうがいい気もするけど、自分の本音を口にしたい。だけど怖い。”という心の中に出てくる相反する心情、迷いが歌詞にきっと表れているのでしょう。

そんな葛藤と曲がマッチしているので、とても聴いていて楽しい。

最初ゆっくりな曲なのかなと思うけど、1回目のサビ以降は、ドラムが速度感をあげてそのまま曲が終わるまで、ほぼキープしている。普段は落ち着いて冷静だけど、心の中ではこんなにも悩んでいるんだという意味のように感じた。

サビの後半では、四つ打ちでさらに激しくなったり、歌声と合わさることで悩みの強さが聴いている自分にも迫ってくるようだ。

見つめ合う時 僕でいられるなら
足りない=繋ぎたい=言葉にしちゃう から
ありがと、で良かった

歌詞:「マイノリティ脈絡」より

このラストの歌詞からすると、自分の本音を言うことはできて、「ありがと」って言葉があるので結果的には良い方向に悩みは解決されていっているように捉えられますね。

最後に「うっ あーあ あーあ」って歌ってる感じも”なんでこんなにも悩んでいたんだろう?早く本音言ってしまえば、良かったな”みたいに聞こえます。

激しい葛藤の末、気の抜けそうな「うっ あーあ あーあ」からとても人間らしさを感じて良いなと思いました。

 

彷徨い酔い温度

ACAねさんが曲を紹介しています

彷徨い酔い温度(収録Ver.)


多様な音使いで可愛らしい曲

”一部だけで全てだと決めつけられたり、ない事を一部にされるたりするの こわぁと思って作りました。”とACAねさんがこの曲の紹介をしているので、「上っ面に揺さぶられたくない」というテーマはわかりやすい。

ただ、歌詞からそれを読み取るのは、かなり難解。考えるのあきらめました(笑)曲が好きなので僕はそれだけでもOKです。

音使いは、ほんとに盆踊りできそうな感じで、太鼓の音が入っていたり、”ヨイヨイ”と掛け声が入っていたりと遊び心のある工夫がされている。前作「正しい偽りからの起床」で言えば、雲丹と栗の枠になりそうですね。ライブでは、お客さん参加型になると思わざるを得ない楽しげな仕上がり。

歌声は音程高めだけど優しい感じで、最後の歌詞は「いつの日か忘れてしまうのさ ラララ~」となっている。「上っ面に揺さぶられたくない」というテーマはあるものの、”そんなこともあるよね”って感じの少し楽観的な印象を受けました。

 

眩しいDNAだけ

ACAねさんが曲を紹介しています


多彩な歌い方とメロディ展開を見せるアンニュイでエモい曲

「工場の煙」や「ミルクとコンクリートで出来た猫」などの言葉から、自分の目には何の変化もない毎日がモノクロに写っていること。また、「毒」や「不安」などのネガティブな言葉から、その毎日に嫌気がさしていることを描写しているのだと思います。

その日常に対する不満は、Lofi HipHopのような曲調と気だるそうな囁きで、歌われている。

まだ迷ってしまうけど 街灯がない道だけど
届かない呼吸だけ 有り余る
このまま反射しても
何も変わりゃしないことも
過ぎって蔓延るよ

今は傷つくことも願ってる
見たことない光を望むなら

歌詞:「眩しいDNAだけ」より

そのあとに続くこの歌詞では”いやいやそんな毎日、何もしないと変わらないから、傷つくことも構わないし、何か新しいことをしなくちゃ、むしろ傷つくくらいが良いかもしれない”という前向きな気持ちが描写されているようで、変化を望んでいるように見えます。

それをR&Bのような曲調と艶やかなラップへの変化で表現しているのだと思いました。

サビは、募る想いを吐き出すかのように張り上げる歌声。特にラストのサビでは、さらに想いが強くなったと感じられる歌い方で圧倒される。

2番以降、サビ以外ではメロディが繰り返されることはなく、歌い方や声色も含めとても多彩。

そんな歌を支える楽曲は、徐々にそれぞれの楽器が主張してくる。だんだん音数が増えていくドラマティックな移り変わりはとても楽しく、聴きごたえ抜群です。

ここまで褒めちぎりましたが、1つ欠点があるとすれば、すでにライブで観た自分からすると音源では物足りなく感じてしまうことがありますね。

もちろん音源も良いですが、ぜひライブで体験したほうがいい曲だと思います。

さいごに・・・

どの曲もわかりやすい特徴があり、前作と合わせてもパターン化されない6曲のバランスが良いですね。工夫が凝らされていて飽きない。

前作『正しい偽りからの起床』と、今作『今は今で誓いは笑みで』を合わせると、1stフルアルバムって感じです。

前作『正しい偽りからの起床』は、暗めの曲が多く、抱え込んだのもが爆発したかのように、心の中を吐き出して伝える初期衝動・衝撃を感じました。

今作『今は笑みで誓いは笑みで』は、前作と同じで後ろ向きな感情が根底にはあるが、少し明るい曲が多い印象。きっと、前向きに進めたらという気持ちが込められてるからだと思います。

前作のタイプに一番近いのは、眩しいDNAだけですかね。

いずれにせよ、前作から”ずとまよ”を聴いている人も、これから聴く人も必聴のアルバムだと思います。

個人的なおすすめは「正義」。何が良いって全部良い。うまく説明できないけど、1か月、1日10回は聴いたんじゃないかってくらい聴いた事実があるので。。

 

ここまで楽曲について書いてきましたが、初回限定盤の特典について少し触れます。コード譜がついているのですが、そこに書かれているACAねさんの一問一答集が面白い。

その中で、”えっ?”ってなったのが”ずとまよ”のファンの名前。「真夜ラー」だと思ってたんですけど、「ずとまろ」だと書かれていました。謎(笑)

あと、この落書き入っていた人羨ましいですね↓↓


これからも、ファンを増やしていくこと間違いなしだと思うアルバムです。

それでは。

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