音楽を聴き続ける理由を1つあげるとすれば、
衝撃的な曲に出会ったときの 何とも言えない気持ちを感じたいからだ。
仮にその気持ちを言葉で表すなら、
心を取り乱され、衝動に駆られるような
”ワクワク感”や”ドキドキ感”
あるいは
”ぞくぞく感”
といった表現になるのかもしれない。
数年ぶりにそんな気持ちにさせてくれたのが”ずっと真夜中でいいのに。”というアーティストです。
YouTubeに突如現れた”ずっと真夜中でいいのに。”は、作詞作曲を手掛ける女性ボーカルACAねさんを中心とする活動名で、略称は「ずとまよ」。ACAねさん以外のメンバーは固定されておらず、バンドというわけではなさそうです。
情報があまりなく謎だらけですが、
完成度の高い楽曲と映像で、再生回数はわずかな期間で驚異的な伸び。
しかも無名であるにもかかわらず、タイアップなどなく、口コミで広がっているみたいなので、この事実が魅力を物語っている。
また、8月に行われたシークレットライブのレポートでは、謎が少し解き明かされています。→SPICE:動画再生回数700万回超えの『ずっと真夜中でいいのに。』謎の多き超注目新人アーティストのシークレットライブレポートを掲載
久しぶりに本当にすごいアーティストが現れたと思います。
初投稿『秒針を噛む』
今年の6月4日に初投稿された動画で、チャンネルにはこの1曲しかないのに、たった3ヶ月で600万回再生を超え、新曲公開直前には750万回再生突破していた『秒針を噛む』。(チャンネル登録者数は9月初め8万人超え、新曲公開直前10万人突破)
9月の初め、YouTubeを見ていたら、おすすめ動画に『秒針を噛む』が表示されていて、何気なくクリックしました。
●サムネの印象:よくあるボカロ曲かな?って感じ
↓
●イントロ:キャッチーなピアノがノスタルジックでけっこう好きだな~
神聖かまってちゃんっぽい気がする。よくある感じかな~
↓
●Aメロ:えっ?!かっこいい。歌メロと鬱屈とした切ない雰囲気に引き込まれる
↓
●Bメロ:やばっ サビまで聴かないとまだどんなかわかんないぞと疑う
↓
●サビ:おお!!!AメロとBメロで溜めていた気持ちが爆発したかのような力強い声
最初のサビのあとからは、この曲の何が良いんだろうとか考えるのやめていた。良すぎて4分32秒が一瞬で終わった。そして、「なんだこれ!?やばい!」って思って、無意識にもう1回再生ボタンをクリックしていた。
全てのメロディが耳に残る。サビも最高ですが、個人的にはAメロがとても好きです。
第二弾の投稿『脳裏上のクラッカー』
もしかしたら、『秒針を噛む』だけの一発屋かもしれないぞというほぼゼロに等しい僕のくだらない疑いを排除したのが新曲『脳裏上のクラッカー』。
10月2日に公開されて、1週間あまりで100万回再生を突破。
再生して聴いてみたら、また「やばい!」って思いました。これは一発屋なわけがない。期待を軽く超えてきた”ずっと真夜中でいいのに。”に僕は完全に心を奪われました。
世界観は似ているが、『秒針を噛む』ほどの暗さはなく、少しお洒落で明るい感じのサウンドです。
「あーあ」からはじまるBメロで心を鷲掴みにされたと思ったら、サビが2段階の構成になっていてさらに広がりを見せるのがたまらなく良い。
「don’t stop 脳裏上に~」という歌詞のところで歌と演奏がカチッとはまるキメがすごく気持ち良い。その後に続く「ぼんやりと月を透かしてみたり タイミングをずらしてみたり」って部分もリズミカルで心地いいです。
Cメロでは、声を張り上げていたり、「いいよ いいよ いいよ」「わかってる わかってる わかってるから」が終盤に進むにつれて、だんだん力強い声で表現されているのも、ACAねさんの感情がはっきり伝わってくるようで、聴いてるだけで自分まで苦しくなるくらい心を揺さぶられます。
叫んでいるように歌っているからか『秒針を噛む』よりも『脳裏上のクラッカー』のほうが歌に込めた感情を強く感じると思いました。
2曲を通して思ったこと
2曲に共通して言えるのは、メロディが豊かで秀逸なこと。耳に残りやすくて、どちらも3回ほど聴けば、全部歌えるくらい記憶できる。
そして、ACAねさんの歌声でぐっと惹き込まれる。透き通るように綺麗で力強い。
彼女の素性はあまり明らかになっていないが、イジメにあっていた経験を題材に作った曲があるというSPICEのライブレポートから推察すると、『秒針を噛む』、『脳裏上のクラッカー』も彼女の人生が表現されて、声と重なってメッセージ性の強い歌になっているのだと思います。
彼女の歌声が心に響くのは、意味深な歌詞と世界観で表面だけを取り繕って演じているのではなく、彼女の内に閉じ込めている想いを歌というキャンバスに描き殴っているからでしょう。(勝手な想像です)
また、楽曲面では、ボカロ曲のように畳み掛ける言葉や音数の多い楽器が特徴的で、さまざまなジャンルの音楽が混在していることから、1曲あたりの情報量が多いように感じます。
それでも、緻密につくられていて、主張のバランスがとても良いので、スーッと耳に入ってくるようで聴きやすい。
楽器演奏にはプロの方が参加されているみたいで、安定感が半端ない。個人的には、ベースがめちゃめちゃ気持ちの良いフレーズで動き回っているのが好きです。
最後に・・・
まだ謎が多い”ずっと真夜中でいいのに。”は、きっとこれからの音楽シーンに影響を与える逸材になるんじゃないかなと勝手に思ってます。
11月にはミニアルバムがリリースされ、来年1月には渋谷 CLUB QUATTROでのライブが決定しているので、目が離せない。
シークレットライブの次が渋谷クアトロとかすごすぎる!
こんなにもグッとくるアーティストに出会えることはなかなかないと思うので、今後の活躍が楽しみで仕方がない。