■ELLEGARDEN
FUJI ROCK FESTIVAL’19
■会場:新潟県・苗場スキー場 GREEN STAGE
■日程:2019年7月26日(金) 18:50-20:00
2008年に活動休止したELLEGARDEN
去年、約10年ぶりとなるライブツアー「THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018」の告知とともに活動を再開。
この告知で、胸が高鳴った方も多いのではないのでしょうか。ZOZOマリンスタジアムの公演では、音漏れを聴くために会場外にもファンが集まっていたそうです。
僕はこのとき行けなかったので、彼らのライブをすごく観たくてしょうがなかった。ELLEGARDENの出演が、今年のフジロック参加を決める大きな理由となりました。
久しぶりに観たら、圧倒される演奏に懐かしさも重なって、なんとも言えない気持ちになりましたね。
ライブレポとして感想などを綴りましたので、よかったらどうぞ。
ELLEGARDEN フジロック2019 ライブレポ(感想)
昼間は晴れていた会場も、夜になるにつれて、雨模様へ。
天気が崩れた中でも、GREEN STAGEには多くのお客さんが集まっていた。
去年の活動再開以降、観れる機会が少ないELLEGARDEN のライブ。期待せずにはいられなかった。
オープニングSEの音が鳴り、4人が登場。
1曲目:Fire Crackerでライブスタート
初っ端から、骨太なロックを思わせるシンプルで印象的なイントロ。もうここのギターリフだけでも興奮。サビ入りでは、爆発感があって気持ちが高ぶった。
この曲は、エルレらしいキャッチ―なメロディと疾走感をもつサビがより際立っていると思う。それは、Aメロの緊張感のあるギターフレーズ、荒々しい間奏があるからこそだと感じた。
2曲目:Space Sonic、続けてテンション上がる曲で攻めてきた。この曲もAメロ、Bメロで生形さんのギター表現が多様。1曲の中で静と動を使い分けた迫力のある展開を見せてくれる。
ここまではステージのスクリーンに、アニメーションが映されていた。赤もしくは青の炎のような模様が、曲に合わせて勢いよく動くイメージ。
2曲目が終わると、それが「ELLEGARDEN」のロゴとドクロマークに変わる。変わった瞬間、歓声が上がっていたと思う。そして、ステージ両脇のスクリーンにもメンバーが映し出されるようになった。
3曲目:Missingはミドルテンポの曲ながら、切なく力強い。シンプルながら絶妙な音選びのツインギターによるイントロ。そこに入ってくるタイトなベース、ドコドコとタムを使うパワフルなドラムが印象的に盛り上げ、とてもエモい。
4曲目:高架線では、優しく想いが詰まったような詞と歌を聴かせてくれる。ちょっとしっとりしたかと思ったら、すかさず5曲目:Supernova、6曲目:Pizza Manで盛り上げていく。
Pizza Manの演奏前、細美さんが「やっちまおうぜー!」と言っていた。ほんとに10年経ったのかと思うくらい、時が過ぎたことを感じさせないなと思う。
7曲目:風の日
生形さんのギターが映える。多彩な表現で歌メロに寄り添うみたいだ。
この曲のギターソロは、ぜひライブで体験することをおすすめしたくなるほど、感動を覚える。細美さんの歌に続き、表現しきれない気持ちをギターが歌っているかのようで、圧倒された。
7曲を終えて、「こんばんは。ELLEGARDENです」とMCに入る。
細美さんが「11年ぶりフジロック。今年、出演させてくれてどうもありがとうございます。」「やべー最高だな」と話し、メンバー1人ずつに言葉をもらっていた。
「ベースの高田です。今日はお足元悪い中ありがとうございます。最後までよろしく」
めちゃくちゃ軽かった(笑)
「11年前、一回休止してから、またここに立てるなんて思ってもいなかった。しかも今日はこんなにたくさんの人ーーもちろんフェスを楽しみに来た人がほとんどだろうし、俺たちを観に来てくれた人たちもいると思う。ほんとに感謝してます。ありがとう!」
この後、「精一杯演奏します。」と言っていたと思います。ギターを弾く姿を含めて、話し方、立ち振る舞いがカッコ良すぎた。
「こんばんは。ちょっと『高橋』って言ってもらっていいですか。せーの『たかはしー(観客の声)』。……ホントみんなありがとう。こんな絶景が残りの人生でまた見れるとは思ってなかったです。フジロックありがとうございました。みんなもありがとう!」
幸せそうな表情をしているようで、とても感慨深い気持ちになった。「せーの」にお客さんの声がかぶって、笑いが起きているのも素敵な瞬間だった。
そんなMCを終えて、始まったのは8曲目:The Autumn Song
細美さんと生形さんが重ねるアルペジオ。すでに最高の空間が出来上がっていると思った。物悲しい感じと疾走感、ハモリなどなど良いところが多すぎて、エルレの中でも1,2を争うくらい好きな曲。たまらなかった。
ここからミドルテンポの曲が続く、ストーリーを感じさせる9曲目:Middle of Nowhere、温かい気持ちにしてくれる10曲目:金星だった。
「ありがとう」と再びMCに入り、細美さんが話し始める。
「このフジロックの今日のステージが決まってから、きっと人生最高の一日がまた更新されるんだなと思って、ずっと楽しみにしてて。ステージの1秒1秒がバッと過ぎないように、噛み締めて楽しみたいと思ってたんだけどさ、すごい迷ってんの。飲むべきか、飲まざるべきか。ウブ(生形)はまたここでやれるとは思ってなかった、高橋はまたこんな光景を見れるとは思ってなかったと言ってたけど、休止の直前、フジロックに(ELLEGARDENで)出てーー雷雨の時にさ、このステージ(GREEN STAGE)に出る人だけが渡れる川があるんだよ。小さな木の橋があって。俺はその橋を逆側に向かって渡りながら、絶対この橋をもう一回自分のバンドで渡るって11年間毎日思ってたから。そういう物語ってみんなに関係ないかもしれないけど、俺にとっては今日夢が叶ったわけよ。そう考えると俺たちの人生も大したもんだったなって気もするし、もう上出来だ、何も文句はねぇよって思うんだけど、せっかく時計の針がまた動き出したんで、これから先はガキの頃には思いつかなかったような新しい夢を一緒に見ましょう」
細美さんより一回り以上年下の僕が思うのもアレだけど、少年のように真っ直ぐな心で目標、夢に向かっているように感じた。そのスタンスがエルレの良さなんじゃないかなと改めて思った。
すごいカッコ良いMCの直後は、11曲目:Red Hot
入りでは違和感があった。おそらくコードミスだけど、そのまま突っ切って疾走していく。ミスなんてどうでもよくなるくらい楽しかった。
疾走感は12曲目:ジターバグ、13曲目:No.13と続き、テンションを高めていく。
14曲目:Salamanderは鋭く重いサウンドで、ここまでの明るく疾走感のある空間になっていたのを引き締めてくれる。めちゃくちゃカッコいい。
Salamanderの余韻が残る中、15曲目:虹のイントロが鳴る。
気休めぐらいになればいいよ
道に迷って引き返して
時間だけ過ぎて行くけど積み重ねた 思い出とか
音を立てて崩れたって
僕らはまた 今日を記憶に変えていける歌詞:「虹」より
ライブ終盤に、復活したエルレからこの歌詞を聴けるのは、心に来るものがあった。
そして、「すげー楽しかったです。ありがとうございました。幸せです。」と最後の細美さんのMCへ
「10年前、いろんな理由があって活動を休止したバンドが、もう1回集まった瞬間に10年経ったからって仲良くやるなんてクソ茶番だなと思ってたんですよ。そんなことあるはずないじゃんと思ってたんだけどーー今めちゃめちゃ仲良いんだよね。茶番じゃねぇんだな。10年経てば変わる。俺も自分でわかるくらいに変わった。だから、ありえないんじゃないかなって思ってたこと、これからも俺たちの人生にたくさん起きるから。またどっかで会いましょう。」
と話して「行こうぜ!」の掛け声。
16曲目:Make A Wishをお客さんと一緒になって歌い、駆け抜ける。
「最後の1曲です!」とラスト17曲目はスターフィッシュで締めくくられた。
繊細で希望に満ちているかのような選曲をエネルギッシュに披露していて、これからのELLEGARDENを示しているかのように思った。
セットリスト
- Fire Cracker
- Space Sonic
- Missing
- 高架線
- Supernova
- Pizza Man
- 風の日
- The Autumn Song
- Middle of Nowhere
- 金星
- Red Hot
- ジターバグ
- No.13
- Salamander
- 虹
- Make A Wish
- スターフィッシュ
さいごに・・・
全17曲。10年前の人気は、確かなものだったと思う圧倒的なライブだった。
真っ直ぐな気持ちが表れているMCも心打たれるものがあるし、楽曲の魅力や演奏も半端ない。
出演時間を長めにしてもらっていることや、短い曲が多いのもあって、曲数が多いのがめちゃくちゃ良いですね。
僕は、2008年に豊田スタジアムで行われたTREASURE05Xというフェスで、活動休止前に1度だけエルレのライブを観ることができた。
しかし、当時はまだ聴き始めたばかりで楽器経験も浅かったので、しっかりと自分の目、記憶に焼き付けることができなかった。
今回は、全曲知ってる状態で臨めたので、めちゃくちゃ楽しめた。もちろん、知らなくても楽しめると思うけど、ここが聴きたい・観たいってところに集中できたのがとても良かった。
エルレはライブハウスを好んでいたので、ぜひライブハウスでのライブも観たいものです。
それでは