GRAPEVINEが16thアルバム『ALL THE LIGHT』をリリースしました。
バインにしては珍しく、スッと入ってくるような曲が多い印象。初回限定盤にはDVDがついていて、収録されているライブ映像がかなり良かったですね。
レビューという名の感想文を書いて行こうと思いますので、よかったら読んでみてください。
「GRAPEVINE知らないよ」って方は、記事内のMVやライブDVDのダイジェスト動画を観てみませんか?もしかしたら、心に刺さるかもしれませんよ。
16th アルバム『ALL THE LIGHT』初回限定盤 レビュー(感想)
CD
収録曲
- 開花
- Alright
- 雪解け
- ミチバシリ
- Asteroids
- こぼれる
- 弁天
- God only knows
- Era
- すべてのありふれた光
感想
10年ほど前から、ずっと聴き続けているバンド。
良い意味で一般的な流行から外れているので、初めて聴くと、とっつきにくい曲が多いと思うんですよね。バインの曲って、何年も聴き続けてると、良さがわかる瞬間が急に訪れることが多いって感じ。
だから、アルバムを買って最初から「この曲良いな!!!」ってなることが少ないんです。僕だけかもしれませんがね。。
でも、今回のアルバムは違ったんです。自分が年を重ねたことも関係していると思いますが、初めて聴いて違和感を覚えるくらい「あれ良いぞ~」ってなりました。なんか新鮮です。
近年、バインはアルバム制作をセルフプロデュースで行ってきてるけど、今回のアルバム全体のプロデューサーには、10年以上前に関わりのあるホッピー神山さんを招いています。ホッピーさんの発想が新鮮さに表れているみたいですね。
冒頭の開花は、コーラスを重ねたアカペラ調。続くAlrightは、大胆なホーンが取り入れられてバインらしいソウルフルなアルバムのリード曲となっています。MVの2:10~からはじまる間奏では、雰囲気を大きく変えている。ギターソロがめちゃくちゃ綺麗でかっこいい。
5曲目のAsteroidsもバインらしい世界観のある渋い曲だけど、トリッキーなシンセ?ストリングス?みたいな音が入っていてこれも新鮮ですね。
そして、シンプルなテレキャスの弾き語りからはじまるこぼれる。艶やかで心地のいいギターと引き込まれるような歌メロが印象的。美しいリードギターは、広がりを見せるノイジーなサウンドに変わっていきます。深みがあって最高です。聴き惚れました。
アルバムのラストを飾るすべてのありふれた光は、終始ギターの音色が心地よく、Bメロの低い音のフレーズなんてめっちゃ渋い。
ありふれた未来がまた
忘れるだけの 忘れるための
それは違う
何も要らない
何にも無くても 意味が無くても
また、バインの歌詞の多くは、詩的で意味を察するのが難しいけど、この曲はストレートで心に直接届く。
これまでにも同じ”光”をテーマにした曲だと、光についてがある。この曲は悲しく切ない。対して、すべてのありふれた光からは、切なくも温かさを感じます。日常を切り取ったような穏やかな風景を思い出すようなイメージですかね。”光”の捉え方に対して、バインが年月とともに変わってきたとも思わせてくれます。
特に新鮮さを感じた曲を取り上げてみましたが、どの曲も趣向を凝らしているので聴きごたえのある良アルバムだと思います。
初回限定盤DVD
収録内容
「GRAPEVINE LIVE RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO」のライブ映像
- Arma
- 疾走
- スロウ
- Darlin from hell
- エレウテリア
- Golden Dawn
- CORE
- 光について
- Everyman, everywhere
感想
初回盤DVDのライブ映像は、収録時間約50分。
ライブバンドとしての抜群の演奏力と安定感、アドリブのカッコ良さを存分に楽しめると思います。
なによりセトリが良くて、名曲ぞろい。スロウ、光について、Everyman, everywhereが代表的ですね。個人的には、Darlin from hell、エレウテリアがめちゃくちゃ熱い選曲だなって思います。
どの曲も良かったけど、特にエレウテリアでは、田中さんがアコギじゃなくて、テレキャス弾いてるのが珍しく、アレンジがめちゃくちゃカッコ良い。
アルバムについてくるDVDではあるものの、バインの魅力を知るには最適な1枚と言ってもいいくらい素晴らしい。ファンなら必見。バインを知らないなら、今の彼らのライブを知るのに丁度いいと思いますね。
さいごに…
何年も聴いているファンが「おっ!」と思う、そして初めて聴く方にもバインの魅力が伝わりやすい1枚だと思います。
今回のアルバムのおすすめ曲は「こぼれる」。深みがあり、バインらしい独特さがありますよ。
気になった方はぜひ聴いてみてください。